魯迅の「藤野先生」に思う(4/27/2008)
魯迅が日本に留学したのはちょうど100年ほど前であろうか。日露戦争が終わって暫く経ったあとである。戦勝に沸き返って驕りたかぶっている当時の日本の姿を、中国人留学生の立場から見たいい資料として「藤野先生」がある。東北大学で医学生として、勉学に励む魯迅が、作家に転向して中国人の誇りを持つように呼び掛けるようになった経緯が書かれている。彼が日本に来て不快感を感じたことが2つあった。ひとつは試験で中国人である彼がまあまあの成績を取ったとき、日本人の同級生が「中国人がいい成績を取れるわけない」と彼の試験の不正を疑ったこと。もう一つは日露戦争の映画で、ロシア人の捕虜とともに中国人のスパイが斬首されるシーンがあり、観客は酒でも飲んだりして悠然とした態度で、彼は屈辱を感じたこと。
異国からはるばると勉学に来た留学生にこのような不快感を与え、転職させることになったのは、遺憾なことである。藤野先生のように彼のノートをわざわざ添削してくれる人がいたのは、唯一つの救いであるが。魯迅はすばらしい文学作品で後世に名前を残すことができたが、彼の試験の不正を疑った日本人達は、後世に名前を残すことはできなかった。
今の中国の過剰な愛国心は、西欧に踏みにじられ、ついには日本の侵略戦争まで許してしまった悲しい過去から来るのかなと思ったりする。
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